〜クロワッサンに込められた、パン職人のプライド〜
前回は、バベットのバゲットサンドについて書きました。
今回は、いよいよ「クロワッサン」のお話です。
「クロワッサンはね、売れていなくても、プライドをかけて作るんですよ」
そんな言葉を、ご主人がふと漏らしたことがありました。
なるほどな、と私は思いました。
たしかに、ほとんどのパン屋さんにはクロワッサンが並んでいます。
けれど、日々の中で食べる頻度は、それほど高くない気がします。
朝食にカフェオレとクロワッサン。
そんなフランス映画のワンシーンのようなモーニングを、日本で見かけることは、そう多くありません。
■ 焼きたてのクロワッサンがくれる朝の静けさ
けれど、あの焼き色。
発酵バターの香りがふわりと広がり、サクッとした軽やかな食感と、生地の美しい層。
「今すぐ、かじりたい」と思わせてくれるパン。
それが、バベットのクロワッサンです。
手のひらにちょうどおさまるサイズ。
見た目にも、香りにも、食感にも、職人の誇りが感じられる一品でした。
買ったその場でベンチに腰掛け、温かい紅茶とともにひとくちずつ味わいたくなる。
そんな朝のひとときに、そっと寄り添うパンでした。
■ 本場の人も驚いたクロワッサン
ある日、お店に外国の女性が2人来店し、クロワッサンを買っていきました。
あとで聞いたところ、なんとフランスの方だったのだとか。
しかも、
「本国のクロワッサンよりおいしい」
とおっしゃっていたという話を聞いて、なんだか自分のことのように嬉しくなってしまいました。
パンにこだわりのある方が、そう言うのです。
「やっぱり、バベットのパンはすごいな」と、あらためて思った瞬間でした。
■ クロワッサンのような、ていねいな日々
クロワッサンは、日常の中で「少しだけ贅沢な気持ち」になれるパンだと思います。
だからこそ、そこに宿る丁寧さや誇りを、五感で味わえることが特別なのです。
ティープリーズの紅茶も、そんな存在でありたいと思っています。
朝の光の中で、焼きたてのクロワッサンと一緒に、静かな時間を味わってみてください。
それだけで、1日がふわっとやさしくほどけていきます。
次回は「カンパーニュ」について綴ります。
どうぞお楽しみに。

