忘れられないパン屋さんの思い出【9】

『クロワッサンの朝市』


🔳 クロワッサンの朝市が生まれたきっかけ

娘が幼稚園を卒業し、小学生になった頃のこと。

同時に、幼稚園へのパンの予約配達も一区切りを迎えました。

「さて、次はどうしようか」

そう考えていたときに、ふと思いついたのが パンの朝市 でした。

名前は迷わず──

『クロワッサンの朝市』。

フランス人も認めるほど美味しいバベットさんのクロワッサン。

これ以上ぴったりの名前はない、と思ったのです。


🔳 月に一度、はじまりの場所探し

開催は月に一度。

場所は、自宅の近く。

企画を考え、チラシを作り、ご近所に配る。

そんなところからのスタートでした。

お散歩コースにもなっている、小さな川沿いの遊歩道。

その脇にある空きスペースを見つけ、思い切って持ち主の方に交渉すると、

ありがたいことに快くOKをいただけました。


🔳 はじめての朝市と、焼きたての記憶

最初の朝市には、私もスコーンを焼いて並べました。

バベットさんのパンはよく売れ、

スコーンも見事に完売。

チラシには、その回ごとに

  • 目玉のパン
  • おすすめの食べ方
  • 楽しみ方

を載せ、開催の2〜3日前にコピーして配りました。


🔳 屋根のある場所へ

ただ、外での朝市はどうしても 天候 が悩みの種になります。

そこで、あるお店に交渉してみることにしました。

そのお店は、自宅を改装し、パスタランチのみを提供している人気店。

美味しくて、ボリュームがあり、しかも庶民的な価格。

予約が取れないほどの評判のお店でした。

私も以前、その場所をお借りして

紅茶教室をしたり、紅茶を淹れに行ったりしていたご縁があります。

交渉の末、快く引き受けてくださり、

屋根付きで雨の心配のいらない朝市 が始まりました。


🔳 朝市の風景

朝市の日は、少し早めに会場へ。

テーブルや椅子を動かして会場を整え、

バベットさんが到着すると、パンを並べ、

ティープリーズの紅茶も並べて、お客さまを待ちます。

並ぶパンは──

パンドミ、イギリスパン、ハードトースト、バゲット、

ベーコンエビ、カンパーニュ、クロワッサン、ペイストリー、

あんぱん、クリームパン、チョココロネ……。

ところ狭しと並ぶ光景は、まさに小さなパンの祝祭でした。


🔳 地域とつながる朝市

あっという間に売り切れ、昼過ぎには閉店。

お客さまの中には、娘の幼稚園時代からのお付き合いの方も多く、

長くご贔屓にしてくださいました。

まだパソコンがうまく使えなかった私は、

ほとんど夫の力を借りてチラシを作り、

チラシ配りは夕暮れどきから。

バベットさんの奥さんと二人、

暗くなるまでポスティングしたものです。

小さなエリアでしたが、

地域と人を巻き込んだ、あたたかくて楽しいイベントでした。

一年ほど続いたでしょうか。


🔳 パンのご褒美と、心に残るぬくもり

帰り際には、ご褒美にパンをいただき、

ホクホクとした気持ちで家路につきました。

今思い返しても、

胸の奥がきゅんとする、

あたたかな懐かしい思い出です。

次回は「バベットさんのお店での営業」についてお話しますね


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