夫の両親からの溢れんばかりの愛情と美味しいお食事に包まれ、幸せいっぱいの2週間という名の「ハニームーン」を過ごしたようでした。
それまで猫を飼ったことがなかった義両親にとって、慣れるまでは驚くことも多かったはずです。それでもチャコはすっかり懐いて、義実家の空気に溶け込んでいました。
特に印象的だったのは、義両親とチャコのやり取りです。
義母は「チャコちゃん、ご飯美味しかった?」「今日は何して遊ぶ?」と、まるで小さな子どもに話しかけるように優しく、絶え間なく声をかけていました。当のチャコちゃんはというと、急にたくさんの愛情を注がれて何が起きているのか分からないのか、ただ「ぽかん……」と呆然とした顔で義母を見つめるばかり。
そんな一人と一匹の微笑ましいやり取りを、言葉少なにチャコの頭を優しく撫でながら見つめる義父の苦笑い。
温かく迎えてくれた義両親へ心からの御礼を伝え、いざ我が家へ。
🔳 毎夜繰り広げられる「三人四脚」
さて、我が家に帰ってからが大変です。
「このままではよくないね、元に戻さないと……」
というわけで、チャコちゃんの「ダイエットマラソン」がスタートすることになりました。
明るいうちは人目につくので、決行は毎夜。
幸い近所にはのどかなお散歩道や川沿いのサイクリングコースがあり、走る場所には困りません。
あらかじめハーネスをつけたチャコをケージから出すと、「ここはどこ?」と不安げな顔。
夫がハーネスの紐を持ち、歩き始めても、右へ行ったり左へ行ったりと、なかなか真っ直ぐには歩いてくれません。これではちっとも運動になりません。
そこで、ひと工夫。
私がチャコの前に立ち、足早に走ってみることにしました。確かあの時は、煮干しか何か大好物のオヤツを手に「ほら、おいで!」と餌にしてリードしていたような気がします。
すると、チャコが小さな歩みで一生懸命についてくるではありませんか。
こうして夫婦と1匹、二人三脚(三人四脚?)の夜のマラソンが日課となりました。
🔳 一ヶ月後の成果と、猫との暮らし
一日も欠かさず走り続けること一ヶ月。
どうでしょう!チャコちゃんは見事に元の引き締まった体型に戻りました。
あきらめずに続けた成果です。
その当時から猫エイズなども知られるようになり、猫は外で飼うものではなく家の中で飼うのが当たり前になりつつありました。
栄養状態のいい猫ちゃんが増えた反面、運動不足になったり、人間と同じような病気にかかったりすることも増えていたようです。一日中家にいるストレスから、知り合いの猫ちゃんは飼い主の留守中に円形脱毛症になってしまったこともありました。一人で寂しかったのでしょうね。
私たちの場合は夫が家で仕事をしていたので、チャコには寂しい思いはさせていなかったかと思います。
ケージに入れて一緒に出かけることもありました。
夜の散歩道を煮干しを手に走り、一生懸命ついてきたあの姿。
今考えると、本当にのどかで愛おしい思い出です。

